GW休診のお知らせ

4月24日(水)~5月8日(水)は休診となります。
大変ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。 

良い病院の選び方(緑内障編)

 都内に病院はあまたあり、緑内障の診療ができるとうたっているところは、大変多くありますが、ただ診れるのと、本当に緑内障をきちんと診れるかはまた別問題です。当院もまだまだ未熟で、正直、勉強の途上ではあります。しかし、最近あまりにひどいなと思うケースをみたので、学会でいわれる緑内障の診療指針に基づいて、緑内障専門の眼科と、そうでない眼科との、ここでは、いくつかの見分け方をお教えしましょう。緑内障診療ガイドライン最新版第4版を細かく丁寧に読み込んでいる当院でこそできるエビデンス表記つきです!

 読んでも、眼科医以外あまり意味がわかならいかもしれませんが、圧倒的こだわりをもって(もはや院長の趣味)、当院では緑内障診療をしていることがわかっていただけたらいいなと思います。ホームページに堂々と「緑内障は視野が狭くなる病気です」なんて書いている眼科に行ってはだめです。「緑内障は視野が欠ける病気」であって、狭くなる病気ではないですよ!! 視野が狭くなるのは、最後の最後の段階であって、緑内障は鼻側からかけるので、通常は末期まで視野はせまくなりません。自覚症状がでないから怖いんです。だけど、こんな基本的なことも理解してない眼科のホームページもたくさんありますね。(何の信念もなく業者さんがただ作ったHPなのだと思います。悪気はないと思います。)

 

(ここからは、眼科医の独り言です。だいたい視野が狭いという患者さんがきて、普通の眼科医が頭に思い浮かべるのは、網膜剥離などが一般的ではないでしょうか? 視野が狭いという自覚症状でこられた患者さんが、緑内障である確率はとても低いと思います。その証拠に2016年の日本眼科医会の緑内障プレスリリースにも、視野が狭くなる病気、と書いていません。)

 

  (チェーン店の眼科(分院がある)、非標準治療、もしくはすぐ手術を勧める眼科もかなり注意が必要だと思います。理由は書けないので、診察時に直接聞いてください。)

 

それから、未だに、「緑内障は、眼圧が高くなる病気」などと書いている眼科さんのホームページを見かけますが、それは20年前の緑内障の定義ですね。現在の日本では9割(86%)が正常眼圧緑内障にて、眼圧だけみていたら、誤診してしまいますね。

緑内障は、「眼圧を下げることによってよくなる病気」であって高くなる病気ではないですよね。似て非なるものです。(いや、ステロイド緑内障、続発緑内障など数%くらいは、眼圧が高くなる人ももちろんいますよ、念のため。)いい加減、健康診断で、眼圧だけ測って「正常」とするのも紛らわしいのでやめたほうがいいです。(健康診断の結果を信じて、通院を止めてしまった緑内障患者さんがいました。幸い数年ぶりに他の病気で戻ってきましたが)

 

古い考えかたが良くわかると思いますので、以下に、日本眼科医会のHPにある、北里大学 庄司信行先生の緑内障スライドを載せておきます。

 

「眼圧が高い低いでは緑内障は診断できない」

 

「眼圧値だけで判断してはならない!」

 

ものすごく、大事なことを言っていますね。ビックリマークは庄司信行先生自身がスライドにつけているので、それくらい声を大にして言いたいことなんだと思います。

至言だと思うので、私もフォント大きくしときました。間違ってここで緑内障のことを学んでいる眼科研修医の皆さん、覚えておいてください。

 

そして、二番目のスライドが現在の考え方です。医学は日進月歩ですね。


 

 

以下、エビデンス表記付き、緑内障の眼科でやるべきこと!!です。

 

1 視野検査はハンフリー視野計で行っているか? さらに10-2のモードでも(『症例ごとに適した検査方法で経過観察』エビデンス強度2B)行っているか? (異論のあるドクターもいるかもしれませんが、やはり国際標準はハンフリーだと思います。)最新の緑内障診療ガイドライン第4版にも、視野検査の機種についてハンフリーが記載されました。

2 中心窩閾値は、きちんとはかっているか? ⇒デフォルトでは測らない設定ですので、ハンフリーの設定を変えましょう。他院紹介状で、測ってないものがみられます。

3 その日の眼圧測定は数回の平均をとっているか? ⇒非接触式の場合は脈圧の関係でぶれるので必ず当院では3回測っています。(21世紀に発売された眼圧計測機種であれば、ゴールドマンで一度計測するよりも、個人的には正確だと思っています。デジタルカメラよりフィルムカメラのほうが優れていると、発売当初は言われていました。レコードしかり、MP3しかり。。。)※ガイドラインにも『(非接触式の場合)3回以上測定を繰り返す必要がある』と記載。2018年臨床眼科学会でも非接触式の場合は角膜厚の影響がより出やすいので(※当院は全症例無料測定しています)その点を考慮する必要があること(※ゴールドマンも角膜厚の影響がでることは常識です)。逆にゴールドマン眼圧計は狭眼瞼では高くでてしまうので新しいiCareなどの眼圧計のほうが有用であることが紹介されました。また、ゴールドマン眼圧計で複数回測ると眼圧が下がって計測される傾向にあることも最近の研究では示唆されています。高眼圧ならまだしも正常眼圧が大半をしめる日本人の緑内障管理に、ゴールドマンが絶対という神話は崩れつつあるのでないかと個人的に思っています。ゴールドマン眼圧計の精度設計自体が偏差±2mmHgです。

4 自分の眼圧をきちんと教えてもらい、どれくらい治療効果がでているのか教えてもらえるか? ⇒説明が面倒なのか教えてくれないドクターも多いと患者様から聞きます。当院では、聞き間違えのないよう、メモでお渡ししています。

5 緑内障の薬の副作用について、きちんと説明してもらったか? ⇒豊富な資材、パンフレットやDVDなどで当院は説明を行っております。専門用語でいうとアドヒアランスの維持です(エビデンス強度2B)。

6 いきなり、『あ、緑内障ですね』とすぐに薬を出したりせず、基礎眼圧を何度か測って治療開始しているか?⇒当院では基本、日をかえて、3回以上としています。岐阜大学臨床准教授澤田明先生も「緑内障で治療する際に、一番重要な点は、ベースラインの眼圧を非常にしっかりとること」と緑内障講演にて、発言しております。韓国の緑内障の権威Ki-ho Park先生が繰り返し「Solid Base Line」と言っていたのと同じですね。

7 視神経乳頭出血の見落としのないように、眼底の写真は、最低でも3か月に1回はとってくれているか?  ⇒当院は、許す限り記録に残すようにしています。日本緑内障学会理事長の山本哲也教授も乳頭出血(エビデンス強度1A)は「確実な検出が望まれる」と講演で述べており、写真記録によるクロノスコピーフリッカー法にて徹底的な眼底チェック(エビデンス強度2B)を行う当院での乳頭出血の発見率は、かなり高いと自負しております。逆に定期的に眼底写真を撮っていない眼科では、かなり見落としているのではないでしょうか。。。

8 角膜厚は無料で測れるか?  ⇒角膜が厚いだけの高眼圧症の方が多くいます。当院では、眼圧測定時にあわせて全症例に角膜厚も測定しています(検査料無料)。 

9 OCTはあるのか。 ⇒当院でもやっと2016年に導入できました。現在の緑内障診療には必須になりました。当院では第三世代、さらに強度近視解析モードもオプションでつけました。

10 ゴールドマン動的視野計はあるか? ⇒当院にはありません。今後の課題です。ただし、ガイドラインでは『緑内障の診療には静的視野が推奨されている』(エビデンス強度1A)。

11 この視神経乳頭は、『強度近視の生まれつきだから、先天的なもので心配ないです』、と言われた。 ⇒20年前は、そういう言い方をしていましたが、今は強度近視に緑内障が多いことがわかっていますので、OCTなどで経過観察が必要です。病院を変えましょう。

12 『眼圧が正常だから、大丈夫ですよ』、と言われた。 ⇒日本人の緑内障の約9割は正常眼圧緑内障ですので、「眼圧が正常だから、大丈夫」では全くありません。ただ角膜が薄いだけの場合もあります。肝心なのは視神経乳頭の形状やOCT所見そして視野の状態です。病院を変えましょう。

13 視野異常から、緑内障以外の疾患を疑えるか? ⇒当院では、年におよそ一人くらいの非常に少ない割合ですが、視野異常からMRIやCTのため大学病院に紹介し、脳腫瘍を発見しています。 

14  ホームページでは、一見、緑内障の一般的内容について詳しく説明しているが、その病院で実際何をしているか具体的にわからない。 ⇒当院では、すべての緑内障患者様に緑内障評価表を手間ひまかけて作成『症例ごとに目標眼圧を設定する』(エビデンス強度1A)しています。これは、忙しくてベルトコンベヤー式の眼科では、普通できないことです。

 

以上、簡単ではありますが、説明しました。一番簡単な質問は、『緑内障の治療時に目標眼圧はどのように設定してますか?』これが、電話でもできる簡単な確認方法と思います。 

 

※今回からガイドラインに記載されているエビデンス強度ですが、1Aがもっとも「強く推奨する」「エビデンスの強さが一番強い」ものです。エビデンスとは、科学的信頼性のことです。

診療受付時間

午前10:30~13:30 

午後15:30~18:30

月・水・金は夜19時まで

※コンタクト処方はしておりません

 ※散瞳検査は17時半迄

 ※眼鏡処方・セカンドオピニオンは完全予約制 

 

GW休診のお知らせ

4月24日(水)~5月8日(水)は休診となります。
大変ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。 

 

休診日

水曜午前/金曜午前・土曜・日曜・祝日

東京浜松町眼科クリニック

東京都港区海岸1-2-20

汐溜ビル2F

TEL:03-3434-4113

関連リンク